子どもたちの「街のお店調べ」の訪問を受けて

2024年6月20日

私の事務所は、創立120年になる大阪市立大国小学校前にあります。私は昨年4月1日、弁護士生活48周年目にして独立し、小学校前のみどり文具店の一部を間借りしています。実は、みどり文具店は私の生家で姉が母の事業を引き継いでくれていて、私はいわゆる里帰りをしています。

昨年の6月頃、大国小学校の子ども達がみどりやを訪問してくれて、可愛い声で次々に質問してくれている姿を見て、付き添いの先生に来年は私の弁護士事務所もお店調べの訪問先に加えて下さいと頼んでいました。

それが先日実現しました。子ども大好きな私は何日も前からワクワクしてその日を迎えました。

5人の子どもさん達が相談室の机を囲んで、用意してきた質問を次々としてくれました。

私が隣のみどり文具店の娘であったことから、お店の名前はどうしてみどり文具店にしたのですかと聞かれ、私の母の名が「みどりさん」なんよと答えると、「あーそうか」とうなずいてくれました。

渡辺さんのお母さんはどうしてここで文具店をしたのですか、と聞いてくれました。小学校の子どもさんを相手に商売をすれば必ず買ってくれるから、私たち子どもを育てられると思ったのです、と答えました。この答を言いながら、若き日に子ども4人を抱えてこの店を開くことを決めた母の不安な心を思い、心の中で涙しました。今は在校生が少子化で減っているし、鉛筆・ノートなどはディスカウントショップで売っているので、この浪速区はそれから70年の歳月の中で、文具屋はみどりやさん一軒になっています。

次に、渡辺さんは今は弁護士だけど、文具店では何をしていましたか、と聞いてくれました。

子どもの頃はお客さんからもらったお金を数えるのが小学生の私の仕事でした。「足し算は小さな子どもでも出来るでしょ。今私は弁護士ですが、裁判官からもお札を数えるのが早いですね」と言われると

言うと「ヘェー」と皆驚いていました。

渡辺さんは大国小学校で、どんな名前の先生を覚えていますかの質問もあり、「阿部先生」と低学年の時の担任の先生の名前がとっさに出ました。この答が出なかったら、付き添いの先生に失礼だったでしょうね。

又、弁護士はどんなことをするのですかと聞いてくれたので、机の上にある六法全書を指して、こんなものを読みます、手に取ってごらんと言うと、「重い!すごい!」と驚きの声を上げていました。

最後に、弁護士バッチを子供たちに見せました。みんなバッチをつけるでしょ、弁護士もこんなものをつけるのですよと言うと、嬉しそうに手に取ってくれました。

以前は表面は金色だったのよ、50年近くこれを着けているので、金メッキが取れて銀色になっていると説明しました。

子ども達は質問係と記録係の役割分担があって、一生懸命でした。予定の20分はあっという間に過ぎました。最後に、「今日聞いたお話はクラスに帰って報告します」と発言がありました。

この町を愛してくれる子どもたちが育ってくれることが楽しみです。

大国小学校の子どもさん達、本当にありがとう。