2024年5月1日、第95回メーデーに参加しました。大阪では例年通り午前9時15分から扇町公園で開かれました。メーデーは労働者の権利の祭典ですが、日本の労働者の労働組合への組織率は厚生労働省の調査によると16.3%(2022年12月公表)で、過去最低水準だったそうで、メーデーに参加した経験のある労働者はわずかになっています。
私は、事業主に雇われる労働者の経歴は無いのですが、弁護士になってからほとんど参加してきました。労働者の要求である「長時間労働からの解放」「人間らしく生きることのできる賃金よこせ」のスローガンがとてもシンプルで、庶民の要求ともいえるものだからです。
今年のメーデーはあいにくの小雨降る日でしたが、それぞれが結集する労働組合の旗が林立する姿は、人間らしい心を通い合わせる人間の集団として頼もしく映りました。
労働者間に対立を持ち込まれバラバラにされ、権利が切り刻まれている現状を憂う人達は沢山いますが、どうしたら要求を一つにして、声を一つにして、この声を押しつぶそうとする力に対抗できるか―日本国憲法第28条は「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他団体行動する権利はこれを保障する」―と謳っています。この労働組合しかないことに沢山の人たちに気づいて欲しいものです。ちなみに、労働組合を作ることさえ認めないタイ国でも、140万人の労働者が結集する労働組合を組織し、政府は労働組合を認めよと、今年のメーデーに参加しています。
今更ながらこのことに気づいたのは、昨年のメーデーに次男に、私の新しい法律事務所「なにわぐりーん法律事務所」の緑色の幟を担いでもらうために参加してもらった時のことです。「こんなに沢山の人が労働者の権利を口にして集っているのを初めて見た」と言ったのです。10数年に亘って労働者であった彼は、会社の理不尽な扱いに我慢ならず退職して、今はフリーランサーの商業デザイナーとして頑張っています。
今年は、今、事業主から職場を排除され、裁判で闘っている大学の教員の方に参加してもらいました。彼女も40年近くに及ぶ労働生活の中でメーデーには初参加でした。「全司法」の労働組合の旗を指して、「裁判所でも労働組合があるんですよ」と説明しました。彼女は少し早く会場に着いて私を待ってくれていて、雨が降って、足場が悪い中で、人が集まってくるかとても心配したと言ってましたが、「NHKで東京の集会(主催者発表1万2000人参加)が報道されていました。勉強になりました」と後でメールで知らせてくれました。
来年のメーデーの集会には、皆さん参加されませんか。私の事務所の緑の幟の下にお集まりください。楽しみにしています。