2025年5月1日、第96回メーデーに、今年もなにわぐりーん法律事務所の緑の幟をもって参加しました。大阪の中心会場は、例年と同じく北区の扇町公園でした。
年令がかさむと何かにつけて第〇回の催しであることに興味がわきます。どれだけの年月が重ねられてきて今日があるか、私はどこの時点にいるかが気になります。
漠然とメーデー第1回は日本の普通選挙権(税納付額にかかわらない25歳以上の男性全員に衆議院の議員選挙権)が認められた1926年かな、戦争中は禁止されていただろうからその年を除いて今年は96回なのかなと、一緒に参加した夫と話していました。ところが、帰宅して調べると、1920年、まだ大正時代だと分かってびっくりしました。労働者が誕生し、その矛盾と願いが労働者の祭典に発展し、その力で政治の民主主義を実現させるのだと、この歴史の必然を目の当たりにしました。
ついては、若い人達の労働組合に参加する人が減ってきていると嘆きの声が聞かれますが、会場には沢山の若い人達が参加されていて、高齢者の私たちにはまぶしい存在でした。
私たち夫婦は青年・学生時代、ヴェトナム戦争反対(1975年4月30日ヴェトナムはアメリカに完全勝利)・被爆者救援(2017年国連核兵器禁止条約採択)・沖縄返還(1973年アメリカから施政権返還)の社会運動の中で知り合い、若者の正義感で一緒に走ってきた仲間です。熱い願いは私たちが高齢者として生きている間にここまで実現させています。
中学生から「労働組合って何ですか?」と街のトークできかれた共産党参議院議員の山下よしきさんが、その一幕をメーデーの壇上で紹介されました。
「不当な賃金や働き方をさせられた時に、労働者が団結して経営者と闘うための権利です。一人では声を上げられなくても、団結すれば経営者と対等に闘える。」
これを聞いた中学生が、「とてもよく分かった。これで公民の授業バッチリ。」と答えたそうです。
若者が元気に疑問を口にし、これに大人たちが丁寧に答えていく、こんな繰り返しをしながら、私たちも成長し、今日に至っています。私は司法修習生の時に、東富士演習場(日米軍演習場)で、平和を願う地元の皆さんから私たち若者に、「皆さんがこの闘いを担って下さる日を待っています」と言われて、身を引き締めた時のこと、50年以上前のことなのに今でもよく覚えています。今日も闘い続けておられるでしょう農民の方々は、私たち若き法曹をまぶしい存在と見ていただいていたのでしょう。
第96回メーデーのスローガン
- 労働時間法制をこわすな(働かせ放題反対)
- 人間らしく暮らせる賃金を寄こせ
- 大手企業の内部留保を賃金に廻せ
など、労働者の要求は簡潔明瞭です。
歴史の流れの中で、高齢者は力の許す限り闘い、若い人達に希望を託し、その願いは次世代に受け継がれ解決に向かうのでしょう。5月3日の憲法集会での被団協共同代表の田中煕巳さんのスピーチにもこの思いがあふれていました。
小雨が降った昨年と打って変わっての薫風の中での五月晴れの中で思いを巡らせました。
この日、全国で労働者の祭典を祝った人達は全国で10万人だったということです。ちなみに連合労組のメーデーは例年通り5月1日ではなく、4月27日に開かれ、石破首相がスピーチしたそうです。