心の故郷・生活の基盤を守らねば

私は浪速区大国に法律事務所を開いて1年半になる。

結婚するまでこの浪速区大国の母の経営するみどり文具店で育った。母の母おばあちゃんも浪速区大国で荒物屋をしていたと聞いている。ここは親子三代の生活基盤なのだ。人生80年近くのうち50年以上離れていたのに、私にとってはここは心の故郷なのだ。

向かいの大国小学校は、多少外観が変わっても70年近くそのままで、故郷はいいものだ。

80才近くになっても好きな仕事を故郷で続けられる人はあまりいないと思われるので私は幸せ者である。

だが、安閑としておれない事態が進行していることを知った。

のどかな田園風景が続く京都府精華町の真ん中にある陸上自衛隊祝園駐屯地にミサイル弾薬庫が新設されるらしい。自宅はこの弾薬庫から8キロ圏内にある。私の依頼者の知人の男性は精華町で生まれ育った住人だ。二人して8月25日の集会に参加した。この事態を心配して550人の人が集まった。会場では椅子が足らずブルーシートを敷いたり立ち見の人もいっぱいだ。集会では防衛庁と町の間にはかっての基地返還運動の中で基地を拡張するには事前に住民との協議が必要との確認書があるが説明会が開かれていないと聞いた。

ところで、岸田政権は台湾有事だからと言って25年概算要求にミサイル弾薬庫を全国に約40棟新築する経費を盛り込むと発表した。この全国の地名に京都をあげた。この祝園のことだ。防衛予算も過去最大の8兆5千億円だ。沖縄与那国島・石垣島・宮古島では既に着々とミサイル配備が進んでいて島民と観光客合わせて12万人を九州に分散する避難計画が出されているとの報道がある。ミサイル弾薬庫は一番の攻撃の対象になる、避難するってどこに行くの,行ったさきでの私たちの生活はどうなるの、は皆の疑問だ。この住みやすい故郷をすてさせられるなど考えられない。こんなに戦争を身近なこととなるとは。参加した私たちはこんな大事なことをどうしてマスコミは報道しないのと思っている。

岸田政権のこの動きは危険極まる。心を決める時だ。